インタビュー15インタビュー時年齢:45歳(2017年3月12日)

#01 植物状態になった父は口を強く噛み込んで開けることがないので、歯ブラシを口腔内に入れることができず、歯の表面を洗ってあげることしかできなかった

再生時間: アップロード日:2017年12月04日

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インタビュー

父がもう突然、もうそれまで全く元気だったので、交通事故でそういう状態(植物状態)になったっていうところからも自分たちのショックは大きいのに、そこからさらに延々こう、自分たちが何の医療の知識とか介護のテクニックとか全く持っていないところで、全部抱え込んで自分たちが背負わなきゃいけないっていう、その精神的な…重さというか、つらさというか、そういうのは、当時すごく本当に苦しかったです。はい。
 で、まあ在宅が始まって、しばらくたって、それでも自分たちでこう、何かいろんなこういったケアがある、こういったケアがあるっていう、自分たちも勉強していたり人から聞いて、そういった中で、その1つ、自分たちが悩んでいたことが歯のケアであって、歯磨きをしてあげたいんですけど、唇は開く、まあ強引にですけど開けて、こう、歯ブラシを入れて表面を洗ってあげることはできても、歯の中、口腔(こうくう)内に、歯ブラシ入れるっていうことができなくて。もうずっと強く、あの、かみこんでいるので、口を開けるっていうことがなくて。で、それができないなあっていうのをちょっと悩んでいたことがありまして、で、自宅に来ていただいてる訪問看護師さんにそのお話をして、ちょっと困る、まあどうしてあげたらいいかっていうことでご相談をして。そしたら、たまたまその…まあ役所の方から、えーと、歯科衛生士さんが、在宅訪問をして診ていただける方がいるっていうお話を伺って、で、その訪問看護師さんを通してその方をご紹介いただいて、衛生士さんに、自宅に来ていただいたのが最初です。

プロフィール

インタビュー15
インタビュー時年齢:45歳
(2017年3月12日)

首都圏在住・母と二人暮らし。自身が31歳の時、父親が交通事故で植物状態になり、自宅に戻ってから亡くなるまでの10年間、母と二人で介護をしていた。本人が歯を強く噛み込んでいてうまく歯磨きができなかったので、訪問看護師に相談して歯科衛生士を紹介してもらった。専門家による口腔ケアと家族による毎日のケアの結果、次第に口が開くようになり、朝晩の歯磨きが目覚めと入眠のリズムを作り、わずかながら表情の回復にもつながった。