インタビュー15インタビュー時年齢:45歳(2017年3月12日)

#02 自宅を訪れた歯科衛生士さんが、父の顔に触れたり、口の中に指を入れてマッサージしたりしているうちに、歯の内側を磨けるくらいに口が開くようになった

再生時間: アップロード日:2017年12月04日

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インタビュー

 で、そのときに、来ていただいた方が、まあすごい、声が大きな元気な方で(笑)、もう、来るなり大声で父に話しかけて、もう口を、顔を触ったり口を触ったり、もういろんなところを触れて、手を口の中に入れてみたりとか、ちょっと強引かなあと思うようなこともあったんですけれども、そういった中で、その、しばらくこう口の中を触っていたら、少しこう、緩んできたというか。何て言うんでしょうね、ほっぺたが柔らかくなってくる感じというか。そういったことがあって、少しこう、歯を開け、口を開けて開くようにそのときにできたんですね。で、それもうすごい、と思って、で、やってたんですけど、はたから見てると本当に口の中に指を入れてぐるぐるかき回すまねをしたりとかしてるので(笑)その辺はちょっと、ええっ?って、家族としては思う部分はあったんですけれども。でも、あの、一応説明はしてくださるんです、1つ1つ。これはどうしてこういうふうに触っている、触っていることがどういう刺激になっているかとか、こういったその、痛いかもしれないけどそういうのはほぐしてあげるのは必要だとか、そういうのを1つ1つ説明を受けて、で、ケアをしていただいた。
 で、それを何回か繰り返していくうちに、そのかみこんでいた口が開くようになって、で、その、衛生士さんがこう、口の中をブラシで磨く、磨いていただけるっていうところまで口が開けるようになりまして、あ、すごい、と思って。まあそのときはそれがうれしい感じだったんですけれども、それをずっと、あの、しばらく続けて、で、私たちもその教えていただいて、本当に最初は、あの、ほほの上に手を載せるっていう、そういったところから、もう、触れるところからこう、少しずつこう、頬をマッサージしたりとか、あの、顎をマッサージしたりとか、あと、口の中に少し、あの、手を、指を入れて、頬の内側をマッサージしたりとか、歯茎を触ってあげるとか、そういったところを毎日続けて、それをなんかしばらく続けていたら、やはりあの、硬くなっていた筋肉とかが少し柔らかくなって、で、顔色も良くなってきますし、それが多分刺激に、本人の刺激になっていたのかもしれないんですけど、少し反応が出るようになりまして。

プロフィール

インタビュー15
インタビュー時年齢:45歳
(2017年3月12日)

首都圏在住・母と二人暮らし。自身が31歳の時、父親が交通事故で植物状態になり、自宅に戻ってから亡くなるまでの10年間、母と二人で介護をしていた。本人が歯を強く噛み込んでいてうまく歯磨きができなかったので、訪問看護師に相談して歯科衛生士を紹介してもらった。専門家による口腔ケアと家族による毎日のケアの結果、次第に口が開くようになり、朝晩の歯磨きが目覚めと入眠のリズムを作り、わずかながら表情の回復にもつながった。