インタビュー09インタビュー時年齢:54歳(2017年1月15日)

#04 口の中の感覚が戻ってきて歯を噛みしめられるようになると、手足の力も入るようになり、ペットボトルのふたを開けたり、走ったりすることができるようになった

再生時間:02:38 アップロード日:2017年11月09日

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インタビュー

だんだんだんだんこちらの麻痺してるほうが、もう少しずつ感覚が戻ってきて。そしたら、歯をこうやって噛みしめる感じが、今までは左のこっちしかなかったのが、前の上下の歯が、こっちはまだ麻痺が残ってるところが当たるのが分かるんですよ。今までそれも分かんない、全部。で、これが分かると、口がね、閉めらんないとか、閉まった感じがしない、不安な状態がなくなって。じっとしても黙っていても大丈夫だと。
 で、そうすると気がつくのが、それまでこういうペットボトルのふたも開けらんなかったの。手の力がずいぶん弱くなったなと思ったんだけど、違うんですよね。力入れる時って、人間やっぱりここ大事で。歯あんまりなくすと力入んないんです、あれとおんなじですよね。僕もこちらがないもんだから。ないってのは、もう今まではねここしかない感じですもんね。そうすっと全くできないし、ぎゅってすると痛いし。ペットボトルのふたも開けらんなかったんですよ。それが鍼やってこの辺(の感覚)が戻ってきたら、今ね全然平気だし。
 で、今、あのー、歩くほうじゃなくてジョギングしてるんです、朝1時間ぐらい。で、それもね、足のほうはもうどんどんどんどん歩いたんで、もうどんどん筋肉が治ってきて、すごい切ったんだけど普通に歩けた。ところが、ジョギングができない。走るのはね、ここが大事なんですよね。歯がこうやって「うん!」ってできないと、絶対走れないですよ。歩くのはこうゆっくり足を出して、左の足が着いてるうちに右足を着けて、それから左足を離すっていうのが「歩く」ですよね。走るのは必ず両方の足が空中に浮いてる時があるから、必ず体は片方の足が着地するときにショックを吸収しようとするんで、これ顎の骨が大事なんですよ。必ず「うん!」ってやってるんですね、自然に。だからそれができなかったんで、走れなかったんだと。今はそれがすごい分かりますね。ものすごいここ大事なんですよね。
 だから、ちょっとしたことが、ほんとに力入れることができなかったことが、かなりできるようになって。ああ、ほんとだいぶ人間に戻ったなっていう感じですかね。

プロフィール

インタビュー09
インタビュー時年齢:54歳
(2017年1月15日)

IT関係の会社を経営。現在は首都圏で仕事をしているが、仕事の都合で関西地方に住んでいた2015年秋に、喉に痛みを感じて受診。中咽頭がんと診断され、東京の病院で口腔手術と放射線治療を受ける。治療の影響で、最初は発話や食事に苦労したが、現在は大分回復している。上手くしゃべれないこともあるが、相手が一生懸命聞こうとしてくれる。かみ合わせの感覚が回復し、口を閉じていられるようになり、集中して仕事ができるようになった。歯はあらゆることに影響していると感じる。