8020  No.13  2014-1

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座談会

KEEP  20TEETH  

TILL  

Y

OUR  80

て、啓発活動を行いました。素人的
な考え方ですけれども、確かに義歯
であろうがインプラントであろうが、
とにかく噛んで、ある程度咀嚼でき
て嚥下できればいいと思います。最
後まで自分の口で食べるというのは
とてもいい言葉です。われわれは逆
にそれを目標にしなければいけない
と考えています。

国民の皆さんに、自分の口で最後

まで食べることについての大事さを
知ってもらいたい。若い人でも疲れ
たら点滴をする人が増えるくらいの
世の中ですが、そうではなくて、自
分の歯で食べやすいものを食べる、
おいしく味わう。それではじめて健
康になる、元気になることを知らし
めることはとても大切です。

特に超高齢社会になったとき、楽

しい人生の中には必ず食というのが
入るわけです。この食の楽しさを守
るためにも、やはり咀嚼する。それ
が自分の歯でなくても、ともかく噛
める。そしてちゃんと嚥下できると
いうところを、皆さんの健康、いわ
ゆる全身とのつながりを皆さんにお

●濱田 和生 副理事長

(はまだ・かずお)

8020推進財団副理事長、サンスター株式会社
代表取締役会長。1974年甲南大学法学部卒業、
同年サンスター株式会社入社、94年サンスター
株式会社広島支店長、96年同・西日本支店長、
99年同・執行役員オーラルケア事業本部業態
営業グループ長、2000年同・オーラルケア事
業本部リテールグループ長、04年同・営業本部
リテール営業部統括、06年同・取締役営業担
当、07年同・代表取締役社長、11年サンスター
スイスSA取締役(日本・アジア担当)、13年
サンスター株式会社代表取締役会長(現任)。
1951年8月生まれ、兵庫県神戸市出身

大久保 これは8020を広く解釈

しなければいけない。20本と言って
しまうと、除外することになります。
したがってもう少し広い意味で考え
たときに、言葉が適当かどうかわか
りませんが、思想としての8020、
つまり20本残せなくても、考え方
としては8020と同じ精神があらゆ
る人たちに適用できるのではと考え
たのです。

たとえ要介護の人でもきちんと

噛めることが大事だということを、
8020運動の概念を広げていくこと
で訴えていくことが可能なのではな
いか。そういうふうに状況の変化に
応じながら、歯科医師会や財団の考
え方を変化させてきました。それは
結局、先ほど申し上げた結論から言
えば、自分の歯で食べることが一番
幸せだけれども、仮にそうでなくなっ
た状況でも、歯科医療としてきちん
と噛めることを実現する。それを通
して最後まで自分の口で食べる。自
分の歯でなくても、少なくとも自分
の口で食べるという状況を実現して
いくことの中に8020運動というも
のを広げていく。あるいはそういう
目的の中に8020運動を組み込んで
いく。

そうすると従来、8020運動は地

域の啓発活動だった。1次予防主体
で、むし歯にしないとかいうことで
す。これはすごく大事ですが、そこ
からさらにもう一つ階段を上って、
医療とヘルス、健康増進と医療がど
う連携されるのかということを次に
考えました。その当時言われてきた
のが、健康寿命が平均寿命よりずっ
と短いということで、健康寿命を延
ばすことのために、歯を残すこと、
あるいはちゃんと噛めることが大事
だというエビデンスがちょうど出始

めました。

そこで私が言ったのは、20本以上

の歯を持っている人が50%を超え
たときに、8020健康長寿社会と呼
ぼう。そのためにはリスクの高い人
を、予防と治療の両方を兼ね備えな
がら、地域と診療所の共同作業とし
て歯を残すことを具現化する。

仮に残せなくなった人でも、歯科

医療を通して、たとえば10本の歯
が残っているとしたら、それを可能
な限り守っていく。残りは義歯を入
れることで、噛む能力をきちんと担
保していく。それによって最後まで
幸福な人生を自分らしく送ってもら
う。これが8020運動の究極の目標
だというふうに目標の掲げ方を広く
持った。これはここ数年の8020運
動の大きな変化だと、私自身は総括
しています。

深井 ありがとうございます。

8020を達成した先の話、あるいは
達成するまでの8020運動に対する
考え方をどのように進化させていく
か。いまの時代に合わせて、人口構
造の変化と科学の進化に合わせて保
健と医療が連携して歯を残すことが、
咀嚼や、その人の生活の質の向上は
もとより、健康で幸せな人生と社会
として、改めて位置づけていったら
どうかというお話だと思います。そ
れを国民にうまく伝える、あるいは
国民がそれをどう理解するかという
立場から、濱田先生はいかがでしょ
うか。

●企業との共同事業を

濱田 いま理事長がおっしゃった

とおりです。われわれが8020運動
を始めたときは、自分の歯を20本
残そう。20本残すことに総力をかけ

8020健康長寿社会へ