8020  No.13  2014-1

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●トピックス●

当初、県歯からお話をいただいた時に、私のよう

な者がとの思いから、お断りしておりました。

しかし、何度かお話をうかがっているうちに、私

個人のためだけではなく、今日まで私を支えてくだ
さった方々のご恩に報いるためにも、素直な気持ち
で受けさせていただくべきではないかと思い当た
り、応募をお願いいたしました。

受賞の対象となりました、いわゆる障がい者歯科

診療や在宅訪問診療等、私の中では特別なこととの
意識が全くなく、歯科医師としての仕事の一部とし
て関わってまいりました。

もとより力及びませんが、何かのお役に立てるの

であれば、今しばらく前を向いて歩んで行きたいと
思っております。今までお世話になった各方面の方々
に、また、私の周りで支えてくださった方々に、心
から感謝申し上げます。

●吉田圭治 氏  歯科医師

これまでの口唇口蓋裂をはじめとする先天的な口の

病気に苦しむ母子を保護する30年間にわたる社会奉仕
活動や、発展途上国への123回に及ぶ医療援助活動が
認められ、愛知県の個人では15年ぶりとなる保健文化
賞受賞という栄誉を賜り、今上陛下に拝謁を賜る誉れ
を頂戴いたしましたことはこの上もない喜びであり、
教授就任15年目という節目に大変光栄に思います。

そして、この受賞に際し、多くの方々との繋がりに

よってはじめて実を結んだ結果であり、協力の大切さ
を改めて痛感しています。これからも限られた時間の
中で、自身のモットーである報恩感謝の精神を念頭に
おき、この病気に対する偏見をなくすための啓発活動
や、口腔疾患の患者に寄り添う治療、後進の育成や医
療を通じた国際交流など地道に行ってきた活動を組織
のため、患者のためにさらに続けていければと願って
います。この場をお借りして、活動に賛同しご助力い
ただきました多くの方々に衷心よりお礼申し上げます。

●夏目長門 氏  愛知学院大学歯学部教授

<受賞業績>

長きにわたり、障がい者歯科診療や訪問歯科診療に積極的に取り組み、自らその診療を行うだけでなく、他の歯科医師も

これらの分野の診療に取り組むことのできるシステムづくりに貢献しています。

<受賞業績>

先天的な口腔の病気に苦しむ母子を保護する社会奉仕活動を続け、発展途上国の医療援助に尽力するとともに、国内にお

いて医療事故救済事業や感染症予防・高齢者の口腔ケアの実践と啓発を行うことで、広く保健医療に貢献しています。

なつめ・ながと
愛知学院大学歯学部口腔先天異常学研究室教
授、日本口唇口蓋裂協会常務理事、日本医
学歯学情報機構事務局長。名古屋大学医学
部非常勤講師、九州大学歯学部非常勤講師。
1981年愛知学院大学歯学部卒業、86年愛
知学院大学歯学部口腔外科学第二講座講師、
97年同・助教授、99年同・教授。06年よ
り現職。1957年2月生まれ、愛知県出身。研
究テーマ:口唇口蓋裂に関する臨床基礎的研究

プロフィール

よしだ・けいじ
1979年東北歯科大学(現奥羽大学)歯学部
卒業、1980年福島市町庭坂字内町44にて
開業、1951年10月生まれ、福島県福島市
出身

プロフィール

保健文化賞を受賞して

 

吉田圭治

第64回保健文化賞を受賞して


夏目長門

ベトナム社会主義共和国ベンチェ省での口唇口蓋裂患者の手術
執刀の様子