CHAPTER3
スポーツによる歯科傷害
歯科傷害(外傷・障害)の種類
歯科傷害は、口内外の粘膜、歯、顎関節などの範囲が対象になります。
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- ❶ 口唇・口の中の粘膜の外傷
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- ❷ ⻭冠の損傷
- 歯冠が割れる・亀裂が入る
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- ❸ ⻭根の損傷
- 歯根が割れるが、外見からは判断できず、X線撮影が必要
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- ❹ ⻭の不完全脱臼
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歯がぐらつく、歯の位置が変わる
① 震盪・動揺:軽度の違和感や触れると痛みがあるが、外見は正常
② 転位:歯の位置が前後左右にずれる
③ 陥入:歯が顎骨内にめり込む
④ 挺出:歯が顎骨外にとび出す
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- ❺ 歯の完全脱臼
- 歯の脱落
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- ❻ 顎骨の骨折
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- ❼ 顎関節の外傷
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- ❽ 歯のすり減りや破折による障害
- 噛み合わせが悪くなる、痛みが出るなど
マウスガードの装着は、衝撃を分散させて、歯科傷害の予防や軽減に効果があります。
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歯根の破折
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⻭の不完全脱⾅
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歯の陥入
歯科外傷の特徴
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- ❶ の外傷は前歯に多く見られる
- 受傷により咀嚼・発音・顔の見栄えに影響する
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- ❷ 外傷が複数歯にわたることが多い
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- ❸ 顎と顔面を同時に受傷することが多い
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- ❹ 競技中の避けられない衝突・転倒により発生する
避けられない衝突・転倒もあると考えて、スポーツ時は常に対策を取るのが重要
歯科外傷の特徴
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- ❶ ⻭の喪失による⼼理的なダメージを受ける
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- ❷ 治療中は⾷事や会話が不⾃由になり、QOL(⽣活の質)を低下させる
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- ❸ 治療中はスポーツパフォーマンスを低下させる恐れがある
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- ❹ 治療による経済的・時間的な負担が⽣じる
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- ❺ 予後に歯の変色を生じて、美観を損ねることがある
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- ❻ ⻭を喪失した場合は、機能回復処置の必要がある(時間的・経済的な負担が続く)