令和6年度 8020運動ポスター

ポスター審査員

栗原 良彰 先生(東京藝術大学 芸術未来研究場 アート× ビジネス領域 特任准教授)
増田 金吾 先生(東京学芸大学名誉教授)
伊藤 達矢 先生(東京藝術大学 社会連携センターセンター長/教授)

最優秀賞

小林 路加さん

受賞者のコメント
歯の美しさそのものが最も際立つようなグラフィックデザインを、私なりの視点を通して制作しました。日々、まだ誰も見たことのない新しい物を作るよう心がけています。これからも常に楽しんで創作活動を続けていきたいです。
栗原先生のコメント
霧吹きのように絵の具を飛ばす「スパッタリング」という技法、赤・青・緑の色面の強さ、スタイリッシュな「8020」の文字。それらが1つの画面の中でうまく構成されていて、とても力強い作品に仕上がっています。
伊藤先生のコメント
技法を含め、これまでにないインパクトの大きなポスターですね。細部まで計算された緻密な作業ぶりが伝わってくる一方で、粒子の適度な粗さがどこか“かっこよさ”にもつながっていて、そのバランスが絶妙でした。
増田先生のコメント
決して口元をリアルに描いているわけではないですが、はっきりと「歯」だと認識できます。この表情の作り方がユニークで惹かれました。背景の白色 がそれをより際立たせています。今までにない新鮮な印象を受けました。

優秀賞

  • 岡下 実生さん

    受賞者のコメント
    私の祖父をモデルにして描きました。祖父は87歳ですが、30本の奇麗な歯が残っています。このポスターを見た人が、歯を大切にすれば、年をとっても健康で楽しく笑顔で過ごせると感じてくれたら嬉しいです。
    伊藤先生のコメント
    まず目に飛び込んできたのは、この愛くるしい表情です。肌も下地からしっかり塗り込み、色を重ねながら丁寧に描かれています。写的に描きながらも、背景を黄色にすることでポップな見せ方にする工夫もすばらしいです。
  • 吉岡 和花さん

    受賞者のコメント
    今回このような賞をいただけたことをとても嬉しく思います。もっと歯を守りたいと思ってもらえるようなポスターを目指しました。
    増田先生のコメント
    青色を基調とした爽やかでスマートな仕上がりが好印象の作品でした。「8020」や「80歳になっても守り抜きたい」というメッセージもしっかり伝わってきます。全体に散りばめた歯のフォルムや雰囲気もチャーミングで すね。
  • 植田 愛華さん

    受賞者のコメント
    一緒にお菓子作りをした時に、美味しそうに食べる友人に感銘を受け、貼り絵で製作しました。大切な人と食事ができるように、歯を大切にしたいです。
    栗原先生のコメント
    コラージュ、貼り絵を用いるアイデアが斬新で引き込まれました。それによって鑑賞する側の想像力を掻き立て、見れば見るほど興味を惹かれる感覚になりましたね。絵の具やペンで描くのとは違う、独特な味わいが魅力的な作品です。

入選

  • 佐々木 瑠美さん

    受賞者のコメント
    寄り添う家族の表情を大きく描き、歯の健康が笑顔の源になるという思いをやわらかい雰囲気で表現しました。歯を守ることの大切さを込めた作品です。
    増田先生のコメント
    お祖父さまとお孫さんの笑顔や触れ合いから、温もりや歯を大切にしようという思いがじんわりとやさしく、胸に伝わってきます。色の使い方もとても丁寧で、全体を暖色系でまとめている点も好印象でした。
  • 海野 椿さん

    受賞者のコメント
    何歳になっても自信を持って笑顔になってほしいという思いを込めました。また、その思いを対称的な絵の中で笑顔はかわらないことで表現しました。
    増田先生のコメント
    暖色と寒色で左右を真っ二つに分けながら 栗原 先生も、1色のコピー「変わらない笑顔で」により絵としては1つにしっかりまとめています。このコピーを絵でも表現しており、考え抜かれた作品という印象です。人の表情や花も、とても丁寧に描かれています ね。
  • 長谷川 侑希さん

    受賞者のコメント
    歯と伝統文化を何百年も大切にそして後世に伝えるそんな思いを込めて作りました
    伊藤先生のコメント
    一目見たときの画面の印象、インパクトの強さに目を奪われました。歯を直接的に描くのではなく、強さを象徴するようなアイコンを通して、歯の強さを上手に打ち出しています。モチーフ の選び方が秀逸ですね。
  • 上遠野 優衣さん

    受賞者のコメント
    清潔感あふれる青と輝く笑顔で、歯の健康が日々を輝かせるという思いを表現しました。今の世はLove&PeaceいやLove&Teeth!
    優衣
    伊藤先生のコメント
    絵の具を上手に使い、透明感のある青く澄んだ瞳をうまく表現しています。手書きのよさや魅力を残しつつ、イラストの雰囲気も画面全体によく表れています。「Love&Teeth」というコピーも遊び心があってい いですね。
  • 和田 勉さん

    受賞者のコメント
    ありがとうございます。光栄に思ってます。8020運動は大切に、歯は大事で健康の源と思ってますのを感じて、よりインパクトを重視し、力強さを表現しました。
    伊藤先生のコメント
    とにかく勢いのある、力強いポスターに仕上がっています。作者が思いのままに楽しみながら、感性を研ぎ澄ませながら、そして絵と “対話”するように描いた様子が想像できるような大胆で気持ちのいい作品でした。
  • 島根 義一さん

    受賞者のコメント
    今年喜寿の小生が「ボケ防止」のため歯のイラストをモチーフに根気よく描きました。入選の報に恐縮しております。ありがとうございました。
    栗原先生のコメント
    数えたところ歯の数は全部で875 あるようですが、まずは手書きでよく描かれたなと感服しました。しかも、一つひとつのシルエットや表情が微妙に異なっているので、目を凝らしてじっくり眺める楽しさもありましたね。
  • 西川 留以さん

    受賞者のコメント
    歯は健康や笑顔に大きな影響を与えてくれるものだと思い、歯磨きの大切さを身近に感じてもらえるように親子の日常風景を描いて表現しました。
    栗原先生のコメント
    笑顔を上手に描いていますね。背景にある洗面台と、その鏡に映る女性。2人の関係やストーリーを1枚の絵の中に描き込む構成力も見事でした。色味のバランスや「8020」の文字の見せ方も練られているよう に感じました。
  • 山本 梓月さん

    受賞者のコメント
    一瞬見ただけでも記憶に残るように、誰もが自にする道路標識で歯磨きの大切さを表現しました。ポスターを見た人の心に残る作品になれたら嬉しいです。
    栗原先生のコメント
    道路標識をモチーフにしたアイデアがすばらしいですね。加えて、バックに青空をはじめのどかな風景が広がっているため、全体的に軽やかで清々しい印象を与え、道路標識の文言が温かいメッセージとして伝わってきます。

総評

栗原 良彰 先生(東京藝術大学 芸術未来研究場 アート× ビジネス領域 特任准教授)
今回は技法やテクニックと、表現したいテーマがうまく合致した作品が選ばれたように思います。以前は清潔感を打ち出すようなポスターが多かった記憶がありますが、近年は歯や口の健康状態を保つことが、よりよい生活につながるという一歩先の次元で表現する作品が増えた印象ですね。
増田 金吾 先生(東京学芸大学名誉教授)
年を重ねるごとにアイデアが多彩になってきているだけでなく、それを、技法を含め創意工夫を凝らし、しっかりと効果的に表現できているポスターがどんどん増えてきていると思います。今後もし機会があれば、受賞者の方々にインタビューさせていただくのもいいかもしれませんね。
伊藤 達矢 先生(東京藝術大学 社会連携センターセンター長/教授)
応募が1200作品を超えたことに、まずは素直に感動しました。若者から高齢者まで、世代を越えてそれぞれの感性で「8020 運動」を解釈し、表現してくれていると考えると感慨深いですね。描き方もアナログから最先端の技術までバリエーションが豊富にあり、楽しく審査できました。